1月17日(月)に開催された連合山形の山大人文社会学部の寄付講座で、JA山形中央会の遠藤氏と山形県生協連の安部が

 ゲストスピーカーをつとめました。講義後の学生の皆さんの感想です。

 1.感想

・全般的

1)私は今大学生協でアルバイトをしています。大学生協の仕組みや思いについては、研修を通して学びましたが、山形県全体を通して福祉や医療などの活動をしていたりして幅広く活動しているんだと思いました。また、新型コロナウイルスの影響を受け、他の団体と協力していると聞き、地域がもっと活性化するといいと思いました。JAについては、食の欧米化による米の消費の減少や農家の減少の問題の深刻さを感じた。

・宅配事業

2)コロナ感染下で、宅配へ利用の集中にこたえるための商品手配の制度向上は、現代の生活スタイルに合っていてとても需要があると思った。・幅広さ

3)今まで生きてきて生協のサービス自体は何度も利用してきたが生協がどのようなシステムで運営されているかについては知る機会がなかったため今回の講義で知ることが出来て良かった。店舗や大学生協のイメージがとても強かったが、病院や宅配事業、介護施設の経営までしているというのには驚いた。

SDGS

4)生協ひとつとってもその事業の数は様々あり、医療や福祉、私たちとも関わり深い大学生協など多くの活動が行われていることが分かった。また、「持続可能」という最近話題にあがる考えをキーワードとし、地域担い手支援の強化や事業基盤をさらに強固なものにしていくことが、今後の展望を考える上で重要なのだと考えた。主に食や農業という切り口から地域活性化を考えることが出来た講義だと感じた。

5)たまり場やこども食堂など地元のコミュニティを提供する活動をしていることを初めて知り、生協は地域貢献のよく合った組織だと感じた。・相互扶助

6)生協は、大学生協が一番なじみがあるが、店舗の経営だけでなく、宅配事業や病院の経営、介護施設の経営、高齢者支援など、幅広い活動を行っていることを学んだ。新型コロナウイルスにより、小中学校が休校し、給食で使用できなくなった食材を生協で販売する活動は、食品ロスを削減する上でも良い活動だと感じた。

・若年層との係わり

7)生協には自分自身もお世話になっており、その存在にはかなり感謝しています。国民の生活の利便性や安全性を向上させるために必要な組織であるので、新しい時代に沿った取り組み(例えば、snsによる情報発信やqrコードを生活に導入して便利にするなど)をどんどん導入していくとこれから生きていく今の若い世代がより暮らしやすい生活を送れるようになると思いました。本当にもっと活動を周知してもらいたい存在だと思います。

8)高齢化が課題としてあげられていたが、病院やスーパーなど身近にあるものにも関わっているのだから高齢者の支援以外にも若者がもっと関心を持てるような取り組みを行えばいいのではないかと思った。

・体験

9)私の実家では母が一人でペットと暮らしています。生協の定期的な宅配トラックを頼んでいるので、万が一の事態があった際いち早く人に気付いてもらえるという安心感が私達子どもや母本人にもあるのでとても助かっています。現在では紙カタログで届けてもらっていますが、スマホでの注文になるとやはり難しいところがあるので、生協側でタブレット/スマホの講習会の開催や、親族による代理注文も検討してもらいたいです。

10)今回の講義では、生活協同組合について日々の活動や問題点、組織内容について勉強することができた。私の母親も生活協同組合コープXで働いているので、とても親近感が湧いたし、どういった団体に所属しているのか理解することができとても面白かった。私が思っていた以上に、大学生協がコロナの影響を受けていたが、逆にこの機会を利用してYouTubeなどを利用して組合員を増やそうする前向きな姿勢はとても参考になった。

・協同組合の意義

11)そもそもどういった仕組みの団体か知らなかったのですが、出資者、利用者、運営者の全てが組合員という仕組みだと聞いて、一般の企業よりも関わる人々のつながりの強さを感じました。

12)生協が何であるか、具体的に分かってなかったため、今回の講義で新しく認識を得た部分が多くあった。生協といえば感覚的には農協が親しみがあるが、農協も農家を顧客にした一つの企業だという認識があったため、なぜ保険などの事業展開をしているのかと思ったことがあった。今回の話を聞いて、他の企業とは来歴が違うのだなと感じた。

SDGs

13)生協の仕組みに関して理解できた。生協は出資者からいただいている出資から全員で運営、利用しており、一つもかけてはいけない組織なんだと思った。しかし、生協が抱える課題は人財不足であり、後継の確保というものが急がれていることも理解できた、農協は、サスティナブルな農業を目標にしており、農業というものが衰退していく中でも、環境にやさしい未来づくりを推進している点に関して初めて知ることができた。

・地産地消

14)はえぬきを普段から食べているが、自分も知っている身近な外食産業で使われていると聞くと、なんだか誇らしい。農業は必ず必要になるため、地産地消をして、交換したい。

15)私はスーパーで買い物をする際はできるだけ県産の物を買うようにしているのだが、きのこ類の他、ほうれん草や小松菜、ピーマンなど様々な県産の野菜を見かける。授業で他の学生の反応を見る限り、県産の農産物に対しての認知度を上げることが必要であると感じた

・農業や文化継承の意義

16)私は農業に関心があり、課題として、農業・農村の危機、JAの組織・事業・経営の危機・協同組合の危機などがあることを知ることができたので良かった。私たちがこれから不自由なく生きていくために農業について考えることは必要不可欠であると考えた。

17)自分が現在、ゼミで輪読した本の中にも耕作放棄地についての話が出てきたが、自分たちの消費行動が直接、耕作放棄地の問題に繋がっていることを理解できた。

18)生協も農協も目指すところは同じで、その対象を農業に絞ったものが農協ということを学んだ。また、農業による文化継承はとても興味深かった。今まで農作物をそのような視点で考えたことはなかったので、ためになった。

19)祖父が農家であるため、JAの取組みや課題は他人事ではないと実感した。とくに、課題の1つ目である農業・農村の危機は祖父の地域でも深刻な問題となっているが、早急な課題解決には至らず、時間だけが過ぎていく現状であるため、農村全体に無力感が蔓延していると感じた。

20)今回は、農協と生協について学んだ。生協では、高齢者の支援や医療や福祉、学校まで幅広く私達の生活を支えている組合で、買い物弱者とされる高齢者の家へ食料の宅配を行うほか、安否確認など、人々の安心安全を見守る取り組みも行われていると知った。また、農協では、農業を基本とした組合であり、高齢化社会の中での農村や農業危機を克服するために、地域の農業生産の拡大や、活性化に取り組んでいることがわかった。

・その他

21)今回の講義では、新型コロナ感染下での生活協同組合の取り組みと課題についてのお話を聴きました。特に、JAグループが直面している3つの危機や10年後に向けてめざす姿のお話はより興味を持って聴くことが出来ました。協同組合の危機として、日本では協同組合の役割と価値に対する無関心あるいは無理解など協同組合の思想と実践を高く評価する世界の潮流と逆行した動きが見られることについて、詳しく知りたいと思いました。

 

 

5.質問・感想

+授業中に紹介した質問

・生協

1)宅配業が増えた結果、供給が間に合わなくなったと伺いました。コロナ禍以前の供給状況に戻すために行ったことなどは何ですか?

2)生協は身近な反面、その組織や活動を知る機会が少ないような気がします。組合としてなにか活動の情報を発信されているのでしょうか?

3)なぜ宮城県が県生協加入率が高いのか。

・農協

1)少子高齢化や欧米化が進み、米離れが進む日本では、米の消費量を増やすためには、何が必要だと考えるか。

2)准組合員になることの具体的なメリットはなんですか。

・共通

就職を考えるにあたって、協同組合の方々が是非今の学生にしてほしい、「組合を知る上」での就職活動の視点などがあれば教えて頂きたいです。

+その後の質問

・農協

1)小麦のほとんどをアメリカ、カナダ、オーストラリアに頼っている日本で小麦を栽培し販売することはやはり難しいのでしょうか?日本の小麦の食料自給率が低かったり食の欧米化が進んでいることから、米の生産の一部を小麦に切りかえてはどうかなと思いました。

2)正組合員の減少に対し、さまざまな方策が考えられるが、最近流行りの6次産業化への助成などは農協でもやっているのか。

3)農協は女性の就労環境として未発達だという話を聞いたことがあり、県内企業としてどのような取り組みをされているのか興味がある。社内で行っている労働環境改革など行っていることがあれば教えてほしい。4)各都道府県それぞれのJA組織同士はどのようにかかわりあって活動しているのですか。

・両方

1)生協と農協のどちらにも共通して、事業の担い手の高齢化、人材不足が挙げられていたが、これに対して具体的にどのような改善策をとっているのだろうか。

2)日本では協同組合の役割と価値に対する無関心など、協同組合の思想と実践を高く評価する世界の潮流と逆行した動きが見られる原因は何でしょうか。

(以上)