〜憎しみではなく、愛の連鎖で平和を伝えよう〜


第49回山形県生協大会が開催されました。


9月4日(火)、鶴岡市荘銀タクト鶴岡に於いて、第49回山形県生協大会が開催され、県内各地の会員生協から710名の組合員が参加し、交流を深めました。

また、9年ぶりの庄内開催という事で、オープニングは地元鶴岡市の鼠ヶ関 念珠辨天太鼓のみなさんによる勇壮で力強い太鼓の演奏で参加者を出迎えました。今年3月にオープンし、まだ木の香りが残る大ホールは舞台と客席との距離が近く、音の振動が直接参加者の身体に伝わって、会場が一つに纏まり、演奏終了と同時に割れんばかりの拍手が起こりました。

 

第一部では、始めに、山形県生活協同組合連合会の菅井道也会長が主催者挨拶を行い、「山形県生協連60周年の年に、鶴岡の地で生協大会を開催できることに感謝します。昨年は、会員生協の皆さんに、ヒバクシャ国際署名、ユニセフの活動などを取り組んでいただきました。今年も引き続き、充実した活動を行って行きたいと思います。そのための課題提起として、種子法廃止の問題、働き方改革の問題があります。今後も、署名などの活動を通して、“これはおかしい”との声を届けることが大事だと感じています。生協大会は、会員生協の学習・交流の場と位置付けています。本日が皆様にとって良き日となることを祈っています」と話しました。

続けて、公務により欠席の山形県吉村美栄子知事に代り、山形県危機管理監・佐藤仁喜弥氏が「現在、全国各地で災害が多発しており、山形県でも8月中に3度の豪雨災害が発生しているが、貴生協連による災害時の救援物資の供給などには大変心強く感じている。また、地域共生社会に向けて、組織力を生かした取り組みには敬意を表する。今後も各方面に於いて、実力を発揮していただくことを期待します」とのメッセージを読み上げました。

 

今大会の活動報告は60周年を迎えた山形県生協連が「60年のあゆみ」と題し報告を行いました。戦後の物資獲得闘争、そして、福祉対策運動といった労働者の運動から生まれた山形県の生協運動は、数々の苦難を乗り越え、また平和とより良い暮らしを求めて辿りきた轍の軌跡です。山形県の生協運動の歴史を改めて振り返り、今後踏みだす歩みが、未来に続く確かな轍となるようにと祈りました。

 

休憩時間には、参加者がとても楽しみにしている県内各地の会員生協による自慢のお土産交換会が行われ、大変なにぎわいと共にあちこちから完売の拍手が起こっていました。また、昼食は、JAあまるめさんの“真心「9マス弁当」”で、これも参加者のお楽しみの一つとなっています。今年も美味しいお弁当に参加者みなさん大満足していました。

 

午後からは、第二部のメイン企画 シンガーソングライター・映画プロデューサーの中村里美さんと作曲家・ギタリストの伊藤茂利さんの「いのちの音色 トーク&ライブ」が行われました。お二人は歌と語りを通して、戦争や争いごとによる“憎しみ”ではなく音楽や映画を通して“愛の連鎖”で平和を伝えようと活動をされています。

山形県でも三年前にお二人が作られた映画「アオギリにたくして」の上映運動を行いました。映画の主人公のモデルになったのは、1945年8月6日に広島で被爆し、片足を失った沼田鈴子さんです。生きる希望を失った沼田さんを救ったのは、同じく被爆したアオギリの樹でした。被爆アオギリは爆心地側の幹半分が熱線と爆風により焼けてえぐられましたが、樹皮が傷跡を包むようにして成長を続け、焦土の中で青々と芽を吹き、人々に希望を与えました。その後、沼田さんは広島平和公園内のアオギリの樹の下で被爆体験を語る語り部となりました。中村さんは、この映画をアメリカでも上映し原爆の悲惨さ、戦争の残酷さを伝えたいと英語の字幕付きのものも作成したそうです。映画の主題歌や挿入歌などと共に、愛を歌い、平和を語るトーク&ライブは参加者をあたたかな感動に包みました。

昨年の8月、鶴岡協同の家こぴあの敷地内に、[市民の手でも被爆アオギリ2世を植樹しよう]とアオギリの樹が植えられました。今では1.5m程に育ち、力強く空に向かって大きな葉を広げています。平和を願う人々の想いを拡散するように・・・。

 

メイン企画が終了後、山形学校生協の佐藤逸平さんが「憲法を守り、暮らしに生かして、平和な社会の実現を」の大会アピールを読み上げて提案し、満場の拍手で承認されました。

 

最後に、山形県生協連の阿部誠也常務理事が6つの大会スローガンを読み上げた後、「本日の大会では協同組合の大切さを再認識しました。今後、70年、100年と歩みを繋いで行きたいと思います。また、愛と希望が溢れるメイン企画の内容でしたが、今後もヒバクシャ国際署名を大きく広げ、諦めることなく、核兵器廃絶へ向けて取り組みを広げていきましょう。この大会が、その大きな力になればと思います」と挨拶し、第49回山形県生協大会を終了しました。

 

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第49回生協大会アピール
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