生協とユニセフ募金

1.ユニセフと生協の協力の歴史

 生協で組織的に募金を始めたのは、1979年の国際児童年でした。ユニセフが子どもたちのためによびかけた同年のよびかけに協同組合の国際組織であるICA(国際協同組合同盟)が賛同し、ICAに加盟する日本生協連でもこれに応えて日本国内の生協によびかけ、多くの生協でユニセフ募金が取り組まれました。この年の募金活動は「バケツ1杯の水」を送る運動として取り組まれ、1,800万円の募金が集められました。

 その後、1980年代に入り、アジアやアフリカの貧困、飢餓など開発途上国の子どもたちがおかれた状況が広くマスメディアで報道されるなかで、国際的な助け合いの活動の大切さが理解されるようになりました。そして1982年7月、ICA女性委員会の採択したアピールに合わせ、日本の生協でも平和の活動とともに国際的な助け合いの活動の重要性について話し合われ、ユニセフ協力活動が灘神戸生協(現コープこうべ)、市民生協(現コープさっぽろ)、みやぎ生協などで始められました。

  このような機運の高まりとユニセフ募金の取り組み事例に促され、日本生協連の1984年通常総会で全国の取り組みとして、ユニセフ活動を推進することがよびかけられ、全国的なユニセフ協力活動がはじまりました。

 以降、生協のユニセフ活動は、「わが子への愛を世界のこどもたちに」「進めよう予防接種募金」「世界のお母さんが読み書きできて子どもの命がまもられるように」「アジアの子どもと女性の自立のために」といった呼びかけとともに歴史を重ね、多くの生協で幅広い組合員の協力による国際的な助け合いの活動として大きくひろがり、現在にいたっています。

  生協のユニセフ活動の特長は、大人から小さな子どもまで幅広い人々が関わっていることです。また、生協では単に募金を集めることだけでなくユニセフの事業活動がなぜ必要となるのか、世界が抱える問題について組合員、市民の皆さんに理解を深めていただくための学習企画・教育活動を重視しています。

 

2.なぜ、生協はユニセフ募金に取り組んできたのでしょうか?

 生協は、「平和とよりよいくらし」を実現するために、多くの組合員の知恵と力を集めて、発展してきました。「平和とよりよいくらし」は、たくさんの人の力でこそ実現されるものです。私達は自分のくらしを守るためにどうすればよいのか、自分たちの国が平和であるためにはどうしたら良いのかを考えながら生協を発展させてきました。しかし、現在食料輸入が増大し、環境問題でもひとつの国内で解決できる課題ではなくなってきています。また、終戦50周年を迎えた今、アジア諸国との関係を考えるとき、これからはますます国際的視野が求められるでしょう。地球にすむ人間がみんなで平和を守り、みんなでくらしの向上ができるかどうか、そのことを理解しあい、実行しあうことが新しい世紀を向かえるに当たって重要になってきています。

 自身のくらしと共にみんなのくらしが良くなること、ささやかでも「私にできることをしたい」と組合員は願っています。そうした組合員の願いを寄せあって、開発途上国の実態を学習しあいながら、そして当地の文化を理解しながらユニセフ協力活動を生協で進めることは、これからの生協発展の上でも大切なことです。ユニセフ協力活動は、支援活動だけでなく、私たち自身の平和とくらしを守る活動だということを伝えながら活動を進めていきましょう。

 

3.なぜ、ユニセフなのでしょうか?

 ユニセフは、国連の機関の中で、唯一の「子どもを対象とした開発を実行する機関」であり、世界最大の子どもの擁護機関/世界の弱者への「人間として生きること」を支援する機関です。

 ユニセフには、次のような国際的評価が与えられています。

①70年以上の活動に裏付けられた国際的な信頼を獲得しています。

②開発事業の高いノウハウと着実な成果が存在しています。

③現地に根ざした活動が存在しています。

④地球レベルでの人権や平等への積極的な提案をしています。

 

また、生協のユニセフ活動は、次のような性格や特徴を持っています。

①「平和とくらしを守る」生協の理念と一致した活動です。

②組合員が気軽に参加できる国際協力です。

③30年以上の経験で、組合員の中に広く定着してきています。

④日本ユニセフ協会を通じて資料や学習資材が入手でき、途上国の実情や文化を学ぶことができます。

⑤日本ユニセフ協会を通じて現地から具体的なプロジェクトの情報が入手できます。

⑥スタディツアーに参加し、組合員自身が現地を訪問することができます

⑦ユニセフは、地域社会においても既に広く知られ、高い信頼が存在し、地域の人々や諸団体と共同できる課題です。

⑧こうした活動を通して、私たちのくらしを見直す活動です。

 

4.ユニセフ募金の種類

①一般募金・・・優先度と必要性に応じて、ユニセフ本部から世界150以上の国と地域へ配分されます。

②指定募金・・・募金の使途をわかりやすくするために、募金の送り先の国とプロジェクトを指定して送る

        募金。プロジェクトの成果を明確にして報告し、継続的なものとするため、原則として

        3ヵ年単位で、年間10万8千ドル以上の支援が必要となります。

③緊急募金・・・自然災害や紛争など緊急支援のために使われる募金です。