講師の鶴長理事長
講師の鶴長理事長

〜継続して成果を上げ続けるために〜

 いばらきコープ 鶴長理事長の講演をお聞きしました

  2018年11月9日(金)午後1時20分より午後5時5分まで、天童温泉 栄屋ホテル

にて、2018年度幹部研修会を開催しました。7会員より23名の参加がありました。

  

 最初に菅井県連会長の主催者挨拶の後、出席会員の代表から今年度上期の状況と後期の課題をそれぞれ発表。休憩の後、いばらきコープ生活協同組合理事長の鶴長義二氏(右写真)より、

 「いばらきコープの人材育成のかんがえかたについてと『地域とともに』の取り組み」と題して講演をいただいた。

 茨城県の事、いばらきコープの歴史 を述べていただいた後、いばらきコープで、働きやすい生協づくりのため仕事で大切にしていること、4つの『つくる』の取り組みを中心に話しいただいた。

その4つとは以下の通り。①人:採用、人事制度、教育、人材育成 ②商品:組合員の声を真ん中に、地域とともに、③仕組:より利用しやすい、低コスト、システム④環境:風土、施設、働きやすさ

 ①人:採用、人事制度、教育、人材育成

  ご自身の共済推進部長の時の経験をもとに、一時的に成果を上げるのは簡単(!?)ただ継続して成果を上げるためには、行動・実践の面では、計画を伴わない行動は致命的である。行動を伴わない計画は無益である。の格言を基に、まず計画して、失敗してもよいからやってみる事を強調された。

 次の意識付け(やる気)のでは、トップとしてやれるのは、物的動機付けや精神的動機付けだけで、それだけでは続かない。常に『生協とは何ぞや!なんのための仕事か』、理念、ビジョン・行動指針・ミッションの徹底を行っている。いばらきコープでは全事業所に常勤役員が出向いて年2回の『オープンミーティング』を実施し、理念、ビジョン等を直接話しかけ、また全職員から仕事をしていてのちょっとした話を聞く機会を設けている。

能力(知識+技術+経験)

 経費削減の中でも職員の研修会や通信教育等の教育費は減らさなかった。赤字でも。

人格(性格+知能)×環境

 性格や知能は変えられない。三つ子の魂百までの通。しかし、人は置かれた環境に適応する。そのため、職場環境つくりや人事制度、教育計画、評価基準をコープデリ連合会と統一して実施した例が話された。

②商品づくりでは、産直の分野を例に、首都圏ならではの悩み、特に地産地消が大都会東京をかかえるところでは考え方に大きな違いがあることが話された。

③仕組みづくりでは、連帯の強みで、合併を機に新システムを構築し、注文カタログを『ハピ・デリ』に統一。高齢者向けにOCRへの転記をやめ、直接カタログに記入してもらい、生協で注文数を入力できるようにした事など、新システム上のメリットが話された。

④働く環境づくり

 生協職員の給与は、3つのモノサシできまるとの考え方をとっている。

 一つ目はいばらきコープの経営状況

 二つ目は同業者(他生協・小売り流通業)そして三つ目は世の中の動き(組合員の納得!)

 であることが話された。(最後の組合員の納得は凄いと思った)  

  賞与は、実績に応じて。期末感謝金は経常剰余2%の時に支給。委託業者さんにも。

働きやすい環境づくりの取り組みでは、『全ての事業、活動に福祉の視点をもって』の下に

女性でも高齢者でも障がい者でも働きやすく、『人にやさしい』いばらきコープの風土つくりを

実践している。  具体的には、4年連続くるみん認定(次世代育成)、障がい者雇用優良事業所表彰、就労困難者の就労体験受けいれ、障がい者『ふれあい交流会』の開催、施設整備、労災事故・交通事故ゼロなどを取り組んでいる。

安心して安全に働ける環境づくりでは、快適に過ごせるよう一定の水準は保つ。

例えば、空調・照度・デジタルタコグラフ・ドライブレコーダー・ウヲッシュレット、交流会への助成(委託業者も含め)等福利厚生の充実をはかっている。

 次のテーマである、生協と地域の係わりでは、行政、協同組合と積極的に関わり、また地元新聞をはじめマスコミにも積極的に情報提供し、懇談会を開催する等して取り組んでいる。

 有名な『ほぺたん食堂(子ども食堂)』、キッヅマルシェ、茨城を知ろう(がっこう)シリーズ等の取り組みが紹介されました。最後の(がっこうシリーズ)では教師役を組合員さんが努めるなど、生協全体での取り組みが印象的でした。                                   以上