日生協マネジメント本部 の弁護士 下川慶子(よしこ)氏をお招きして、非常勤役員学習会を開催しました。会員の非常勤役員、役職員併せて12名が参加しました。学習会のテーマは『生協における役員の職務・責任』です。

協同組合は人と人との自治的な組織である・・その事による株式会社の違い

  生協はどういう組織かは、ICA(国際協同組合機構)の声明や、消費生活協同組合法(以下生協法)に、人々の自治的な、自発的な結びつきであると定義されている。しかも、生協の目的は、くらしに関わる共通の文化的、経済的なニーズを協同の力により実現することであるから、原則目的が株主への利益配当である株式会社と行える業務での根本的な違いがある。このことは生協法で機関と定義されている総代会(総会)へ、理事会が事業報告を義務付けていることなどにも表れている。ちなみに、会社法では株主総会で事業報告が義務付けされていない。

  機関とはなにか、またその義務とは

  生協法では総代会(総会)の他、理事会、代表理事、監事を機関として定めている。理事や監事は生協から委任を受けて業務にあたり、機関とは生協の意思決定、執行、監査などの役割を果たす。そのため、理事会を構成する理事、監事には業務遂行に当たって、善良なる管理者の注意を払う義務(善管注意義務)と、法令、定款及び規約並びに総会の決議を順守する忠実義務が求められる。

それでは役員の法的責任は、どこまで問われるか?

  理事や監事は、生協に対し『任務を怠った』場合に、そのことによる損害を賠償する責任を負う。

  『任務を怠った場合』とは善管注意義務と忠実義務を果たさなかった場合のことを言う。

  理事や監事は、第三者に対し、職務を行うについて事情を知っていたにも関わらず事を為さなかった、あるいは為した又は重大な過失があり、その事によって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。また、決算書類等の重要事項に虚偽記載等があった場合、注意義務を果たしていた(過失がなかった)ことを立証しない限り、そのことによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。ただ、いずれも結果責任ではなく、求められる注意義務を果たしたかどうかによって、個人別に責任の有無が判断される。

   以上については具体的な判例4つを上げて説明されました。

  講義後参加者から質問を受け付け、3人の方から以下の質問が出されました。

    ①員外利用の現状について②経営不振で解散する場合の非常勤役員の責任

    ③監査報告書は多くはガイドライン通りだが他の意見がある場合どうするのか

    ④顧問の位置づけは

    ⑤非常勤役員を退任した後、役員だった時の責任は問われるのか

 

  参加者の感想

   参加者からは、『難しい事、本を読んだだけではわからなかった事の理解が進んだ』、『理事の責任について改めて自覚し今後理事会等に参加していきたい』などの感想が寄せられています。

以上